
- この記事はこんな人におすすめ!
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- 漢方薬を飲むタイミングに迷っている人
- 漢方薬の正しい服用時間を知りたい人
- 漢方薬の効果を最大限引き出したい人
「漢方薬はいつ飲むのが正しいの?」「食間って食事の途中でいいのかな?」
このように、日々の服用タイミングに迷ったり、この飲み方で本当に効果が出ているのか不安になったりすることはありませんか?
西洋薬の感覚で「とりあえず食後に」と、なんとなく飲んでしまいがちな漢方薬ですが、実は飲むタイミングによって効果が変わることがあるのです。
この記事では、漢方薬を飲むベストな時間帯とその理由、漢方薬を飲みやすくする工夫までわかりやすく解説します。
- この記事を読むとわかること
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- 漢方薬の服用タイミングがなぜ大切なのか
- 漢方薬の効果を高める飲み方
- 葛根湯・小青竜湯・十味敗毒湯など代表的な漢方の服用時間
- 漢方薬を飲みやすくするための工夫
漢方薬を飲むのは「食前・食間」の空腹時が基本

多くの西洋薬が食後に服用するのに対し、漢方薬は「空腹時」に服用するのが基本です。
具体的には「食前」もしくは「食間」に飲むことが多いですが、その理由は以下の通りです。
食前
食事を摂る30分〜1時間前のタイミングを指します。胃の中に食べ物が入る前に服用することで、漢方薬の成分が他の食べ物の影響を受けずにスムーズに吸収されます。
食間
食間は「食事の最中」と誤解されがちですが、正しくは「食事と食事の間」です。
具体的には食事を終えてから2〜3時間後が目安で、胃が空っぽになったタイミングで内服することを指します。
漢方薬を「空腹時」に飲むべき理由

漢方薬を空腹時に飲むのは、「吸収効率を高める」ことと「胃腸への負担を軽減する」 という2つの理由があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。 →漢方薬を空腹時に飲むのは、「吸収効率を高める」ためです。胃腸に悪影響がないかな?と不安にならないために詳しい理由を解説しますね。
吸収効率を最大化するため
漢方薬の有効成分は、西洋薬に比べてゆるやかに作用するものが多く、食べ物や胃酸の影響を受けやすいという特徴があります。
胃に食べ物が入っていない空腹時のほうが、有効成分が速やかかつ効率的に体に吸収される場合が多いため、漢方薬本来の効果が最も発揮されやすくなるのです。
西洋薬の多くは胃の粘膜を保護する目的で食後に飲みますが、漢方薬は自然由来の生薬を主成分としており、その多くは作用が穏やかで胃腸への負担が少ないように作られています。
そのため、空腹時に服用しても問題ないだけでなく、「吸収効率を高める」というメリットを安心して得られるのです。

「胃腸への負担が少ない」とはいえ、もともと胃が弱い方は不安ですよね。もし空腹時に飲むと不快感が出る場合は、食後30分ほどにずらしてみてください。
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漢方薬を飲みやすくする工夫

漢方薬には独特の香りや味があるため、どうしても飲みにくいと感じることがあります。また、「そもそも粉薬が苦手」という方もいらっしゃると思います。
そんな時は、以下のような工夫を試してみてください。
- 白湯に溶く
- あらかじめコップ半分ほどの白湯に溶かしておくことで、漢方薬の「粉っぽさ」を感じにくくなります。粉薬が口の中で広がったり、むせたりするのが苦手な方におすすめです。
- オブラートや内服ゼリーを使う
- オブラートや内服ゼリーを使うと、
口の中で広がる「苦味」や「匂い」をほとんど感じず に飲めます。また、どちらもドラッグストアで簡単に入手でき、小さなお子さんから高齢者の方まで幅広く使うことができます。 - 錠剤・カプセルを選ぶ
- 粉薬が苦手な方は錠剤やカプセルタイプを選ぶのがおすすめです。漢方薬は顆粒が主流でしたが、最近は錠剤やカプセルも増えているので、薬局やオンラインショップで探してみると良いでしょう。
自己判断で複数の漢方薬を併用することは避ける
自然由来とはいえ、漢方薬にも副作用のリスクはあるため、複数の漢方薬を併用する場合は必ず医師や薬剤師に相談してください。
特に多くの漢方薬に含まれる「甘草(カンゾウ)」は、摂取しすぎると血圧上昇やむくみを引き起こす「偽アルドステロン症」という副作用につながることがあります。
※参考:医薬品医療機器総合機構
まとめ
漢方薬は「食前・食間」などの空腹時に飲むことで、食べ物の影響を受けずに有効成分が効率よく吸収され、本来の力が発揮されやすくなります。
ただし、胃が弱い方や空腹時に飲むと不快感を覚える方は、食後30分後にずらすなど、自分の体質に合わせて調整しましょう。
また、独特の味や香りが苦手な方は、白湯に溶かす・オブラートや内服ゼリーを使う・錠剤やカプセルを選ぶなど、続けやすい工夫を取り入れてみてください。
よくある質問
- 漢方薬は食後に飲んだら意味がないの?
- 全く意味がないわけではありませんが、空腹時に比べると吸収が緩やかになるため、効果が弱まる可能性があります。とはいえ、飲み忘れるよりは食後でも飲んだ方が良いです。
なお、空腹時に飲むと胃がもたれるなど不快な症状がある場合は、無理せず食後に飲むように切り替えるか、医師や薬剤師に相談することも検討してみてください。 - 寝る前に漢方薬を飲んでも大丈夫?
- 問題ありません。寝る前は「食間」にあたるため、服用に適したタイミングといえます。特に、気持ちを落ち着かせる効果のある半夏厚朴湯などは、寝る前に服用するのもおすすめです。
- 飲み忘れたらどうすればいい?
- 飲み忘れに気づいた時点ですぐに服用してください。ただし、次の服用時間まで2〜3時間しかないような場合は、忘れた分はスキップして、次のタイミングで通常量を飲みましょう。また、飲み忘れたからといって、2回分を一度に飲むようなことは絶対にしないでください。
※参考:日本漢方生薬製剤協会
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(薬剤師:5年)
漢方薬は独特の味や香りがあったり、飲むタイミングが少し特殊だったりして、毎日続けるのは少し大変に感じますよね。
この記事では、なぜそのタイミングが良いのかという「理由」を知っていただくことで、日々の服用を納得して続けてもらえるように基本的なポイントをまとめました。「なるほどそういうことか」と思っていただけたら嬉しいです。