漢方薬で内側からニキビケア!症状別におすすめの漢方11処方を紹介

漢方薬で内側からニキビケア!症状別におすすめの漢方11処方を紹介
漢方薬でニキビは治る?症状別におすすめの漢方を紹介!
この記事はこんな人におすすめ
  • 繰り返すニキビに悩んでいる
  • 塗り薬でニキビが治らない
  • 身体の内側からニキビを改善したい

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開発担当:タケミ
(薬剤師:8年)

何度も繰り返してしまうニキビに「どうしたら治るんだろう……」と不安を感じていませんか?今回は、塗り薬で治りきらないニキビにおすすめの漢方薬11処方&効果をご紹介します!

この記事を読むとわかること
  • ニキビの症状別におすすめの漢方薬がわかる
  • おすすめ漢方薬の主な効果がわかる
  • ホルモンバランスを整える漢方薬がわかる

ニキビができる原因

ニキビができる原因には、ホルモンバランスの乱れによる皮脂の過剰分泌、肌のターンオーバーの乱れによる毛穴のつまり、皮脂を食べて成長するアクネ菌の増殖などがあります。

原因 詳細
皮脂の過剰分泌 思春期・生理前・更年期などにホルモンバランスが乱れることで、皮脂が過剰に分泌する
毛穴の詰まり 乾燥、便秘、胃腸・肝臓の疲れ など
髪の生え際・おでこ 肌のターンオーバーが乱れることで古くなった角質が溜まり、毛穴が詰まる
アクネ菌の増殖 皮脂を食べて成長するアクネ菌が毛穴のなかで増殖する

ニキビは「毛穴に皮脂や汚れなどが溜まり、炎症を起こしている肌トラブル」です。ニキビの悪化を防ぐためには、内服薬・外用薬を用いた治療を早めに取り入れて、肌の状態を正常に整えていく必要があります。

薬を使った治療だけでなく、余分な皮脂を取り除き、ホルモンバランスを整えるといったセルフケアを取り入れることも大切です。

ニキビ改善におすすめのセルフケアは、ぬるま湯で洗顔する、しっかり保湿をする、十分な睡眠をとる、脂質の多い食事を避けるなどが挙げられます。

大人ニキビと思春期ニキビの違い

漢方の世界では、身体のなかに「気(熱)」がこもり、盛り上がることでニキビができると考えられています。

その点を踏まえて、大人ニキビと思春期ニキビの原因、できやすい部位、治りやすさなどの 違いを以下でみてみましょう。

項目 大人ニキビ 思春期ニキビ
原因 「気(熱)」の巡りが悪くなり、身体に熱がこもる もともとの「気(熱)」が多すぎる
できやすい部位 フェイスライン、頬、口まわりなどの皮脂が少ない部位 Tゾーン(鼻や額)などの皮脂が多い部位
治りやすさ 治りにくく、同じ部位にできやすい 年齢とともに自然と治まる

「気(熱)」は年齢とともに落ち着いていくため、思春期ニキビは大人になるにつれて自然と治まっていくのが一般的です。

一方で、「気(熱)」の巡りが悪く熱がこもっている大人ニキビは、ホルモンバランスの乱れにより繰り返しやすい・治りにくい特徴があります。

漢方薬によるニキビ治療について

漢方薬はニキビの原因を内側から改善していく

ニキビ治療には、内服薬、外用薬、レーザー治療などのさまざまな方法があります。そのなかでも外用薬のような「外用療法(塗り薬による治療)」で改善がみられない場合は、身体の内側からのニキビ治療が必要になってくるでしょう。

身体の内側からニキビの原因を改善していくためには、病院でも広く用いられている「漢方薬」を用いた治療が有効です。

漢方薬のニキビ治療への効果

漢方薬は、外用薬やレーザー治療などでは改善がみられないニキビの改善に効果が期待できます。

なかでも、炎症を抑える、皮脂の分泌を抑える、体内の水分量を整える、ホルモンバランスを整えるなどの作用がある漢方薬が、ニキビ治療においては有効です

化膿しはじめの"赤ニキビ”を改善

「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」は、身体の余分な熱や水を発散させる漢方薬です。化膿しはじめの赤ニキビや、かゆみや腫れをともなう湿疹などを改善します。

【症状別】ニキビ治療に効果的な漢方薬一覧

ニキビの症状別!
おすすめの漢方薬11処方

ニキビ治療に効果的な漢方薬一覧は以下のとおりです。

  • 十味敗毒湯(じゅみはいどくとう)
  • 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
  • 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
  • 桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)
  • 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)
  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  • 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
  • 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
  • 柴苓湯(さいれいとう)

上記11処方は、症状や体質に合うものを服用することで、ニキビ改善に効果がみられる漢方薬です。
次の項目では、赤ニキビや白ニキビ、ストレスニキビなどの症状によって効果のある漢方を紹介していきます。

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」では、十味敗毒湯、清上防風湯、荊芥連翹湯の3つがニキビ治療の選択肢の1つとして推奨されています。

赤ニキビ(炎症性皮疹)におすすめの漢方薬

上記11処方のなかで、赤く腫れた「赤ニキビ」におすすめの漢方薬は、十味敗毒湯清上防風湯黄連解毒湯です。

ジュクジュクした赤ニキビには「十味敗毒湯」、赤ニキビが多い場合は「清上防風湯」、先の2つに効果がみられない場合は「黄連解毒湯」がおすすめです。

漢方薬 効果
十味敗毒湯(じゅみはいどくとう) 身体に溜まった熱や水分を発散し、化膿や腫れを抑える。ジュクジュクしたニキビ・湿疹などの治療に用いられる。
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう) 身体の熱を冷まし、かゆみを抑える。膿を排出する作用もあり、赤ニキビが多い場合の治療に用いられる。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう) 身体の熱を冷まし、炎症を抑える。赤みや炎症の強いニキビの治療に適している。

白ニキビ(面皰)におすすめの漢方薬

ニキビ初期段階の「白ニキビ」におすすめの漢方薬は、荊芥連翹湯当帰芍薬散です。

首から上の化膿や炎症を抑えたい場合は「荊芥連翹湯」、血行不良や生理不順もともなう場合は「当帰芍薬散」がおすすめです。

漢方薬 効果
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう) 顔の余分な熱を抑える。主に白ニキビの治療に用いられ、蓄膿症や慢性鼻炎にも効果をみせる。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) ホルモンバランスの乱れや血行不良を正常な状態へと整える。主に白ニキビ、生理不順、冷えなどの治療に適している。

黄ニキビ(嚢胞)におすすめの漢方薬

化膿をともなう「黄ニキビ」におすすめの漢方薬は、十味敗毒湯清上防風湯排膿散及湯です。

ジュクジュクした黄ニキビには「十味敗毒湯」、赤みが残っている場合は「清上防風湯」、腫れや痛みをともなう場合は「排膿散及湯」がおすすめです。

漢方薬 効果
十味敗毒湯(じゅみはいどくとう) 身体に溜まった熱や水分を発散し、化膿や腫れを抑える。ジュクジュクしたニキビ・湿疹などの治療に用いられる。
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう) 身体の熱を冷まし、かゆみを抑える。膿を排出する作用もあり、赤ニキビが多い場合の治療に用いられる。
排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう) 膿を排出する。赤み、腫れ、痛みをともなう化膿性ニキビの治療に適している。

ストレスニキビにおすすめの漢方薬

ストレスで繰り返す大人ニキビにおすすめの漢方薬は、半夏瀉心湯半夏厚朴湯です。

胃腸の不調をともなう場合は「半夏瀉心湯」、のどが詰まるような不安を感じる場合は「半夏厚朴湯」がおすすめです。

漢方薬 効果
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう) ストレスや食生活の乱れなどによる胃腸の不調を改善する。主に口まわりにできるニキビの治療に適している。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) ストレスや不安などの精神トラブルにアプローチする。ストレスが原因のニキビの治療や不安神経症の改善に適している。

ホルモンバランスの乱れにおすすめの漢方薬

ホルモンバランスの乱れが原因のニキビにおすすめの漢方薬は、桂枝茯苓丸料加薏苡仁当帰芍薬散加味逍遥散です。

血行もよくしたい場合は「桂枝茯苓丸料加薏苡仁」、白ニキビがある場合は「当帰芍薬散」、赤みや炎症が強い場合は「加味逍遥散」がおすすめです。

漢方薬 効果
半桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん) 血の巡りをよくして、肌に栄養を行き渡らせる。ホルモンバランスの乱れによるニキビ、手足の湿疹、生理不順の改善に適している。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) ホルモンバランスの乱れや血行不良を正常な状態へと整える。主に白ニキビ、生理不順、冷えなどの治療に適している。
加味逍遥散(かみしょうようさん) ホルモンバランスの乱れやストレスによる心身の不調を整える。炎症が強いニキビや、生理痛、生理不順、更年期障害などを改善する。

ニキビ跡を改善したい場合は、炎症をやわらげ免疫機能を調整する「柴苓湯(さいれいとう)」がおすすめです。

まとめ

ニキビができる原因には、皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖などが挙げられます。自分の症状・体質にぴったり当てはまる漢方薬を服用すると、繰り返し悩んでいたニキビもやがて改善に向かうでしょう。

病院やレーザー治療に通ってもなかなか改善がみられなかった方は、これから「漢方薬」もニキビ治療の選択肢の1つとして考えてみてください。漢方薬を服用するほかに、十分な睡眠をとったり、暴飲暴食を控えたりする「基本の養生」も日々の生活のなかで意識してみましょう。

よくある質問

漢方でニキビが治った症例はある?
日本東洋医学雑誌の臨床報告「漢方薬が奏効した脂漏性皮膚炎の5症例」では、十味敗毒湯を用いて脂漏性皮膚炎(皮脂の分泌が多い部位にできる湿疹)が治った症例が3つあります。それぞれ3週間〜6週間後には症状の改善がみられ、2か月〜6か月後には終診となっています。
ニキビに効果がある漢方薬に副作用はある?
ニキビ治療に用いる漢方薬には、発疹、赤み、胃の不快感、食欲不振、下痢などの副作用がみられることがあります。ほかの漢方薬やサプリメントとの併用が好ましくない場合があるため、漢方薬を購入する際は必ず医師、薬剤師、登録販売員に相談しましょう。

漢方薬で”ニキビができにくい体質”へ

「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」は、皮膚の炎症や化膿を改善する漢方薬です。ニキビ、湿疹、蕁麻疹などの改善に効果がみられ、肌を正常な状態へと整えます。

ニキビ・蕁麻疹など肌トラブルに十味敗毒湯
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