- この記事はこんな人におすすめ!
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- 皮膚炎の症状や原因が知りたい
- どんな種類があるのか知りたい
- セルフケアで症状を改善したい
知っておきたい皮膚炎の症状や原因
皮膚炎とは皮膚表面に現れる炎症の総称で、湿疹と呼ばれることもあるポピュラーな病気です。
主な症状には、赤み、腫れ、ブツブツ、小さな水ぶくれ、びらん、かゆみなどがあります。原因には外的要因と内的要因があり、次のようなものが挙げられます。
外的要因 | 化粧品、洗剤、金属、汗、ハウスダスト、花粉、細菌、紫外線、食べ物、薬剤、物理的刺激 |
---|---|
内的要因 | バリア機能の低下、肌の乾燥、アレルギー体質、体調不良、ストレス |
予防するには原因を避けることが大切
皮膚炎は外的要因と内的要因が複数重なり合って起こることが多いため、外的要因を避けるとともに、体調を整えて内的要因のリスクを減らしましょう。
皮膚炎と間違いやすい疾患に蕁麻疹があります。数日間以上症状が消えない皮膚炎に対し、蕁麻疹は数十分~数時間で症状が跡を残さずに消えるのが特徴です。
気になる皮膚炎の主な種類
皮膚炎は、症状や原因によってさまざまな種類に分けられています。主な種類には次のようなものがあります。
種類 | 症状 | 特徴 |
---|---|---|
接触皮膚炎(かぶれ) | 赤み、ブツブツ、小さな水ぶくれ、かゆみ | 化学物質や物理的刺激によって起こる「刺激性接触皮膚炎」と、アレルギーによって起こる「アレルギー性接触皮膚炎」がある。 |
手湿疹(主婦湿疹) | ブツブツ、小さな水ぶくれ、乾燥、ひび割れ | 水や洗剤によく触れる人がかかる。 |
アトピー性皮膚炎 | ジュクジュクしたブツブツ、かゆみ | 乳幼児期に発症することが多いが、半数以上は20歳前に自然に軽快する。遺伝性がある。 |
皮脂欠乏性湿疹 | 乾燥、ブツブツ、かゆみ | 乾燥による肌のバリア機能の低下が要因。高齢者に多く、乾燥する季節に多発する。 |
脂漏性湿疹 | 乾燥、フケ、ブツブツ | 皮脂の分泌が活発な部位にできやすい。乳児型と成人型がある。 |
汗疱 | 小さな水ぶくれ、かゆみ | 手のひらや足の裏にできる。数か月以内に自然に治癒するが、年に数回繰り返すことが多い。 |
貨幣状皮膚炎 | コインのような円形のブツブツ、赤み、小さな水ぶくれ、かゆみ | 腕や足、お腹や臀部にできやすい。比較的冬に多く発症する。 |
酒さ様皮膚炎 | 赤み、ほてり、皮膚の盛り上がり、膿をもったブツブツ | ステロイドが配合された塗り薬を長期間使用することで起こる。 |
自家感作性皮膚炎 | ブツブツ、赤み、かゆみ | 一部にできた皮膚炎が悪化した後に、全身に小さなぶつぶつが広がる。免疫反応が関係している。 |
特定できない皮膚炎は湿疹と呼ばれる
症状や原因からアトピー性皮膚炎や手湿疹などはっきりとした疾患名が特定できない皮膚炎を、一般的に「湿疹」と呼びます。
皮膚炎の症状があって医療機関を受診しても、原因や疾患名がはっきりしないことも少なくありません。
自分でできる対処法
まず第一に、皮膚炎の原因を取り除きましょう。原因が除去できない場合、皮膚炎を繰り返してしまうことがあるため注意が必要です。
それとともに、肌のバリア機能を高めるのも効果的です。肌を清潔に保ち、保湿ケアをして肌の乾燥を防ぎましょう。外部からの刺激は肌のバリア機能を低下させてしまうため、肌をやさしくケアしたり、紫外線対策を行うことも大切です。
生活習慣も肌に影響を与えるため、食事内容や生活リズムなどを整えるように心がけましょう。生活習慣が乱れがちな方には、体の中から肌を整えてくれる漢方薬がおすすめです。
掻くのは禁物
患部をかくと、かゆみ物質であるヒスタミンの分泌が促されてかゆみが増してしまいます。肌のバリア機能が低下して症状がさらに悪化したり、皮膚が傷ついて跡が残るおそれもあるため掻かないようにしましょう。
かゆいときは、患部を冷やすとかゆみが和らぎます。皮膚炎のかゆみを抑えてくれる、市販の塗り薬を活用するのもいいでしょう。
まとめ
皮膚表面に現れる炎症の総称である皮膚炎(湿疹)は、症状や原因によってさまざまな種類に分けられています。原因の除去や肌のバリア機能を高めることがケアの基本となりますが、種類が分かるともっと具体的にケアできるようになります。
皮膚炎についての知識を深めて、セルフケアに役立てましょう。
よくある質問
- Q. 医療機関を受診するタイミングは?
- A. セルフケアをしても改善しない場合や繰り返す場合、皮膚以外にも症状がある場合には医療機関を受診しましょう。
- Q. 医療機関ではどんな治療を行うの?
- A. 主に、ステロイドの塗り薬による薬物治療を行います。かゆみを抑えるために、抗ヒスタミン薬を処方する場合もあります。
肌トラブルの起こりにくい肌へ
皮膚炎などの肌トラブルが起こりやすい方には、漢方薬で体の中からじっくり改善していくのがおすすめです。生薬のもつ抗炎症作用や解毒作用などによって、肌のバリア機能を高めて肌トラブルを防ぎます。
(薬剤師:15年)
皮膚炎はポピュラーな疾患なため、湿疹やかぶれなどに悩まされたことのある方も多いと思います。皮膚炎の種類には、耳にする機会の多い疾患からあまり馴染みのない疾患まであるので、自分がどの疾患に当てはまるのか確認してみてください。